題 名デジタル画像の物質性について―素材の質感化の観点から―
- 発行日
- 2012年
- 投稿日
- 2017.12.25
- 発表者名
- 足立元
- 所 属
- 日本文理大学 工学部 情報メディア学科
- キーワード
- デジタル画像
- 要 約
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本研究は造形芸術における形と素材の関係を探るものである。
足立氏は造形芸術と呼ばれる具体的な物が,表象の姿としての形と素材による基体の統一構造から成り立っており,それを具現するためにはこれらの関係を探ることが不可避であると主張している。形は素材から切り離されて存在することはなく素材に付着しており,素材そのものがそれ自身の形態と密接につながっている。とすれば素材表面の様相を探ることが形の探求につながり,ひいては芸術表現を展開することに資するのではないか、という考えだ。本論文ではこの視点から「質感化」をキーワードにデジタル画像の造形素材としての特性を探っていく。
本論の目的はデジタル画像を造形素材とし,これに物質性を持たせることにより操作可能にする方法を探ることである。デジタル技術を用いて生成した画像を造形素材として扱うために,「質感化」をキーワードに画像生成の手法を探った。その効果を高校生の制作したデジタル画像の表現を分析することにより検証した結果,生徒たちは画面に何らかの質感を持たせようとしたことが推測された。
本論文は高校生の制作した画像に対する分析を含むため、教育分野にも関連するが,基本的には芸術に関する論文である。デジタル画像をテーマに造形素材の扱いについて論じることにより,造形表現に言及した論文である。
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- 足立元