書評
一覧題 名TPP時代の稲作経営とスマート農業
- 著者名
- 南石 晃明
- ISBN
- 9784842505428
- 出版年月日
- 2016年3月
- 出版社名
- 養賢堂
- 価格
- 3,500+税
- 投稿日
- キーワード
- 農業
- 背景
- 日本の稲作経営は現在、市場変動や気候変動など大きな環境変化に直面している。こうした環境変化に対処するには、農業技術を実際に使用する農業経営者が、主体的にICT活用を含めた次世代の農業技術の開発に積極的に参画する必要がある。 本書では、米の生産コストを4割削減するという国の政策目標を実現すべく、4人の農業経営者が共同経営者として参画した研究プロジェクト「農匠ナビ1000」のビジョンと成果を紹介する。
- 概要
第1部「大規模稲作経営の戦略と革新」では、関東、近畿、北陸、九州の30~100ヘクタール超の大規模稲作経営4法人の具体的な戦略と経営に着目しながら、その発展過程を述べている。各法人の経営発展過程から、農地集積の可能性の高低が経営発展を方向づけ、必要となる技術パッケージの内容が規定される過程が理解できる。
第2部「大規模稲作経営における栽培技術と生産管理の革新」では、大規模稲作経営の技術パッケージを構成する要素技術について詳しく述べている。
第3部「農業経営におけるICT活用とTPPへの対応戦略」は、「農匠ナビ1000」プロジェクトの研究成果の地域農業への普及可能性を検討するため、農業法人経営を対象にした全国アンケート調査分析を行っている。
- 編集部より
- これまで、農業技術については国公立農業研究機関が主導して研究開発を行うのがほとんどだった。しかし、製品やサービスの生産技術や国際競争力の向上への対応策は、本来経営者が主体的に考えるべき重要な経営課題である。 本書は、経営革新に意欲のある全国の農業経営者、農業研究機関・企業関係者、農業政策関係者の農業革新にとても参考になる。
- 著者
- 南石 晃明