書評
一覧題 名私小説のたくらみ 自己を語る機構と物語の普遍性
- 著者名
- 柴田 勝二
- ISBN
- 9784585291527
- 出版年月日
- 2017年10月
- 出版社名
- 勉誠出版
- 価格
- 3,600+税+税
- 投稿日
- キーワード
- 文学論
- 背景
- 虚構がなぜ告白を可能にするのか。そのしくみとは。芥川龍之介「歯車」、志賀直哉「和解」、リービ英雄「千々にくだけて」など、明治期から現代に至る私小説を扱い、そこにはらまれた文学表現としての特質と普遍性を探る。
- 概要
作家はいつから、どのように〈自身〉を語り始めたのか―
私小説は、私的な小さな世界を描くと同時に、作者自身の経験や心情を描くことで、社会との対峙、他者との葛藤など、人間性に関わる普遍的な問題をも提示する。
芥川龍之介『歯車』、梶井基次郎『檸檬』、志賀直哉『和解』といった私小説の代表作から、森鷗外『舞姫』、三島由紀夫『仮面の告白』、大江健三郎『個人的な体験』など従来は「私小説」として扱われなかった作品も取り上げ、日本近代文学における「私」語りのありようを考察する。
- 編集部より
- 作品として自身を語る際には少なからず虚構が含まれ、逆に虚構を介すからこそ告白を可能にする。本書の内容は、現代のSNSで自分を語る若者たちにも繋がってくるのではないでしょうか。
- 著者
- 柴田 勝二