書評
一覧題 名グローバル化の光と影 -日本の経済と働き方はどう変わったのか-
- 著者名
- 高橋信弘
- ISBN
- 9784771031203
- 出版年月日
- 2018年11月30日
- 出版社名
- 晃洋出版
- 価格
- 2600+税
- 投稿日
- キーワード
- 経済
- 背景
- 著者は京都大学大学院経済学研究科博士後期課程修了。現在、大阪市立大学商学部教授(国際経済学)
- 概要
第1章 グローバル化と働き方のゆくえ
第2章 サービスの海外アウトソージング
第3章 バブル経済の発生とアメリカの圧力
第4章 日本農業へのグローバル化の影響
第5章 介護に従事する外国人
第6章 外国人社員が活躍するための経営改革
第7章 中堅・中小製造企業における設計業務のオフショアリング
第8章 アジア通貨危機
第9章 韓国の外国人労働者受け入れ政策
第10章 欧州の移民政策に見るパラドクス
第11章 EUの東方拡大と農業・食品産業
第12章 世界貿易機関
本書では、グローバル化が、経済、経営、働き方にどのような影響を与えるのかを、わかりやすく解説している。
本書の特徴は、多様なトピックスを取り上げるとともに、具体的な事例を挙げて説明していることだ。例えば、第2章では、日本から中国へのソフトウェアのオフショア開発をとりあげ、ソフトウェアを開発する日本企業が、中国企業をパートナーとして扱い技術移転をしたら、しばらくするとその中国企業が自分たちのライバルになっていた話を描いている。また、第7章では、トンネルを製造する日本の中堅・中小企業が、日本では優秀なIT人材を採用できないため、ベトナムに子会社を設立して優秀な大卒者を採用して設計業務を任せた結果、現在では日本国内の仕事をするのにベトナム子会社の人材に大きく依存する状況となっており、つまり海外に子会社を作ったことで中堅・中小企業が存続できている事例を論じている。
このように、各産業で実際にどのような経済活動が行われ、人々がどのように働いているのかを、経済学や経営学の知識がない人にも理解できる内容になっている。
- 編集部より
- グローバル化が私たちの生活に与える影響は、必ずしも良いとは限らない。しかし、現代はすでにその善悪を問う段階ではなくなっている。技術の発展に伴って進行するグローバル化への適応は絶対条件だ。 本書では、グローバル化が経済や働き方にどのような影響を与えたのかを、他国での実例も挙げながら明らかにしていく。日本経済に何が起こっているのか、そして私たちはどう対応すればよいのか。 具体的な事例と詳細な分析によって現実味を帯びて読者に迫る、複雑な現代社会を紐解く一冊だ。
- 著者
- 高橋信弘