書評
一覧題 名歴史としてのレジリエンス
- 著者名
- 川喜田敦子/西芳実(編著)
- ISBN
- 9784814000104
- 出版年月日
- 2016年3月31日
- 出版社名
- 京都大学学術出版会
- 価格
- 3400+税
- 投稿日
- キーワード
- 社会
- 背景
- 川喜田敦子氏は中央大学文学部教授、研究分野はドイツ現代史、ドイツ地域研究。 西芳実氏は京都大学地域研究統合情報センター准教授、研究分野はインドネシア地域研究、多言語多宗教地域の紛争・災害対応。
- 概要
紛争、テロ、難民問題……。世界を覆うこの不条理にどうすれば立ち向かえるのか。社会の亀裂をもたらす災いの修復は、何世代もかけて歴史のなかで行われる。第二次世界大戦、冷戦、原発事故のような災厄とそこからの回復の諸相を考察し、復興の捉え方の歴史的変遷や地域的相違に注目し、さらに今後めざすべき社会像の手掛かりを探る。
はじめに——「歴史としてのレジリエンス」を考える
第一部 革命後を生きる——コミュニティから亀裂を修復する
第1章 ベトナム北部農村の現代史——村から見た一九四五年飢饉・抗仏戦争・抗米戦争
第2章 インドネシア九・三〇事件——犠牲者五〇年の痛み
第3章 中国華北村落のレジリエンス——雨乞い復活を通して考える第2部 不条理を生きる——共通の敵を作らずに連帯する
第4章 諸帝国の周縁を生き抜く——台湾史における辺境ダイナミズムと地域主体性
第5章 ナクバ〈以後〉を生きる——難民とパレスチナ問題
第6章 脆弱な土地に生きる——バングラデシュのサイクロン防災と命のボーダー第三部 科学技術と生きる——社会の災いとして認定する
第7章 「ヒロシマ」における回復の諸相——複数の当事者性をめぐって
第8章 チェルノブイリ原発事故と記憶——ベラルーシを中心に
第9章 赤泥流出と原発事故——東欧スラブ地域からレジリエンスを考える
おわりに
- 編集部より
- 戦争、難民問題、原発事故など、災厄の衝撃とそれらがもたらす歪み・亀裂から、社会がどのように立ち直ったかについて、多面的に論じられている。さらに今後の地域研究のあり方をも提示する論考集。
- 著者
- 川喜田敦子/西芳実(編著)