題 名ディンプル付きサッカーボールの飛び方~サッカーボール表面におけるディンプル形状の空力効果~

発行日
2017年10月26日
投稿日
2018.02.21
発表者名
浅井武
所 属
筑波大学体育系
キーワード
サッカーボール
要 約

本研究グループは、先行研究において、現時点で使用されているさまざまな種類のサッカー公式球を対象に風洞実験を行い、ボールに加わる空力特性を、パネル数およびパネルの向きに着目して比較検討してきた。その結果、パネルの枚数、形状、向きにより、ボールに加わる空気力(飛行する物体が空気から受ける力)は変化し、ボールの飛翔軌道が大きな影響を受けることを示唆。さらに、サッカーボール縫い目の位置変化から生じる空気の流れの変化をPIVで可視化し、ボール縫い目の位置が、空気の流れを変えるメカニズムや、実際のサッカーボール飛翔軌跡への影響を明らかにした。
サッカーボール表面形状が、ボールに働く空気力に大きく影響し、飛翔軌道を決定する大きな要因の一つになっていることが示唆された。今回得られた研究結果は、サッカーボールの飛翔特性の理解、新たなボールの研究・開発やデザインに活用できるものと期待される。

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プロフィール
浅井武 従来、ゴルフボールのディンプル(凹み)は、ボール表面のラフネスを増大させ、飛翔距離が延びることが知られていた。しかし、サッカーボールの表面のディンプルは、ゴルフボールのディンプルより、ボール直径に対してサイズが小さく、その影響も小さいと推測され、実際の空力特性はほとんど不明のままだった。 筑波大学体育系の洪性賛助教と浅井武教授は、筑波大学スポーツ風洞を用いて、サッカーボール表面形状(ディンプルの有無と突起の模様など)により、ボールの空力特性が変わることを明らかにした。