題 名経済グローバルガバナンスと水平・垂直統合経済モデル

発行日
なし
投稿日
2020.02.12
発表者名
門田 清
所 属
東京国際大学 国際関係学部
キーワード
国家風土 ガバナンス形態 水平統合経済モデル
要 約

 本稿は、グローバル経済社会、特に成熟化を果たした21世紀のグローバル経済社会を支える経済モデルの提示を目的とする。国際的に存在する収穫逓増経済では、見えない構造としての風土、延いてはアーキテクチャーに基づきリカード的な分業が行われているが、人間を主体に連鎖的に支えられる一連の分解過程には認知要素に依拠しヘクシャー=オリーン定理を援用し得ると思われる。企業、人間による開放的で自由な経済活動を基礎に、国や地域の制度構造の企業や人間に対する縛りや影響を考えるとともに、またこの観点から普遍主義、個別主義に対してアプローチする。
 他方で先進国またその企業間でもタイムラグを伴って転換期を迎えてきた。そこではガバナンス形態のシフトと併せ、持続可能な成長に向け新規比較優位の創出が進められている。最後の章ではこれを踏まえ持続可能な水平統合経済モデルを提示し、従来の垂直統合経済モデルと総合した持続可能な経済社会モデルを提示する。これは、持続可能な成長に向けグローバルに社会的ビジョンを共有する現在の先進国と新興国との関係を総合的に説明するものであり、PPMに準えられる関係を表している。またこれは単一市場生産基地モデルとして地域経済圏等への適用も考えられる。国家像、地域像、企業像、人間像の複層するグローバル経済社会であるが、本稿の提示する理論的枠組みを通して、その理解に資することができればと考えている。

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プロフィール
門田 清 東京国際大学准教授。専門は国際貿易論、国際ビジネス、多国籍企業論。早稲田大学社会科学部卒業。早稲田大学大学院商学研究科博士課程満期退学。福山平成大学経営学部を経て 2010年4月より現職。